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高橋 智幸 先生の税に関する豆知識

税理士 高橋 智幸
平成14年7月設立、
千葉市中央区新明町所在の
税務総合事務所所属
 
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改正消費税法の経過措置について

昨年消費税増税の法案が成立し、消費税率のアップが具体的になってきました。私達の生活にも大きな影響を与えることになるでしょう。現在の法律案によると、
平成26年4月1日より 5% → 8%
平成27年10月1日より 8% → 10%
にそれぞれ税率がアップすることになります。
 この様な増税が行われるときに問題となってくるのが、この増税が開始される日(「施行日」といいます)の前後に行われた取引について、どちらの税率で課税されるのかという点です。このような問題をはっきりさせるために「経過措置」というものが定められています。今回はこの「経過措置」について、平成26年4月1日に8%に増税になることを例に、簡単に説明したいと思います。
① 経過措置の原則
 基本的には、上記の説明のように平成26年3月31日までの取引については5%平成26年4月1日以後の取引については8%の税率で課税されることになります。例えば契約を締結した上で販売をする場合に、その契約を平成26年3月31日までに締結していたとしても、その物の引渡しが平成26年4月1日以後に行われていると8%の税率で課税されることになります。

② 旅客運賃等の税率に係る経過措置
 列車の乗車券や映画の前売券など、事前に券の購入などで支払いが出来るものに関しては、平成26年3月31日以前に支払いをしていれば、実際に使用するのが平成26年4月1日以後であっても5%が適用されます。対象となるのは、電車、バス、飛行機などの運賃や、映画、スポーツ、遊園地などの場所へ入るための入場料などです。
通勤定期などについては、定期券の購入が平成26年3月31日以前であれば、平成26年4月1日以後の期間が含まれていても5%の課税になります。極端なことをいうと平成26年3月31日に、平成26年4月1日からの6ヶ月定期件を購入したとしても、購入が平成26年3月31日以前なので5%の税率で購入することが出来るということになります。
 
③ 電気料金等に関する経過措置
 電気や水道の料金についてはメーターを計測して毎月の料金が計算されていますが、平成26年3月31日に全部のメーターを検針することはとても不可能なので、平成26年4月1日以後1ヶ月以内の検針等については5%で課税されることになります(検針が毎月でない場合には一定の調整があります)。

④ ⑤ 請負工事等に関する経過措置
 ④として、工事や製造の請負などの様に、契約締結から目的物の引渡しまでの期間が長いものに関しては、平成26年4月1日以後に目的物の完成、引渡しが行われたとしても、その工事(製造を含む)の契約が平成25年9月30日(増税開始の半年前)までに締結されていれば、その工事(製造)については5%の税率で課税がされます。例えばマイホームを建築する場合には、平成25年9月30日(増税の半年前)までに契約をしていれば、完成して引渡しを受けるのが平成26年4月1日以後でも5%でマイホームが建てられるということになります。
 ⑤については、④の請負工事に準じたものを、上記と同じ様に半年前に契約していれば5%で課税されるというものになっています。④に準じたものとして
Ⅰ.測量、地質調査、工事の施工に関する調査その他の請負に係る契約(委任その他の請負に類する契約を含む)
Ⅱ.仕事の完成に長期間を要する
Ⅲ.当該仕事の目的物の引渡しが一括して行われることとされているもの
Ⅳ.その契約に係る仕事の内容につき相手方の注文が付されているもの(一定のものを含む)という要件に該当するものとして政令に規定されています。⑤に関しては少し難しいかと思いますので、該当する可能性がある場合には十分にご確認頂ければと思います。

⑥ 資産の貸付に関する経過措置
 取引の期間が長期間にわたる資産の貸付けについても特例があります。平成25年9月30日までに一定の要件に該当する契約を締結して、これに基づき平成26年4月1日の前から引き続いて資産の貸付けを行っている場合には、平成26年4月1日以後についての資産の貸付けについても5%の税率が適用されます。
 一定の要件とは、一般的なリース取引の様に期間中に対価の変更や解約が認められていないものと規定されています。

⑦ 役務の提供に関する経過措置
 平成25年9月30日までに締結した一定の要件を満たす「役務の提供」に係る契約で、平成26年4月1日以後に役務の提供を行う場合にも5%の税率が適用されます。
 葬儀社の互助会などについては、事前の契約に基づき月々等の方法で会費を支払うことで、契約に基づいた金額で葬儀を執り行うことが出来るという形が多く、このような取引が⑦に挙げる経過措置に該当するかと思います。

 以上簡単に説明しましたが、あくまで大雑把な説明になっています。法律には細かく規定がされているので、申告等の際は専門家の方に相談する等でご確認をお願い致します。
 
 
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